よし、免許を取ろう
昨日の話の続きをしよう。
今まで運転免許を取る気はなかったのに急転直下、免許を取ることになった。
そもそも私は欲しいと思ったものはすぐ手に入れるし、やりたいと思ったことはすぐにやらないと気が済まない。典型的な浪費家タイプである。
きっかけになったのはペーパードライバーだった友人が運転をするようになったことだ。
友人は8年前に免許を取得し、長らくペーパードライバーを貫いてきた。
2年ほど前、彼女の兄が運転するならと自分が今まで乗っていた軽自動車を彼女に譲り渡した。
ペーパードライバーだった彼女は乗らないまま月日だけが過ぎ、1年ほど経ったある日、兄が「乗らないんだったらその車返してよ。売るから。」と言ってきたのだ。
それを聞いた友人は慌てて「乗るから売らないでほしい!」とくい下がったのだという。私に兄弟がいないので感覚的なところはわからないが、友人ながらわがままな妹だと思う。
それから1年弱、友人は毎週兄についてもらいながら車の運転の練習を始め、今年の5月晴れて独り立ちの許可が出た。
友人の初めての助手席は私だった。佐川美術館で開催のバンクシー&ストリートアーティスト展を見に出かけた。
「混んでる駐車場は停められない。頭からしか突っ込めない。」と彼女が言うので、予約時間の30分前に到着し、ガラガラの第二駐車場に停めてもらった。
別になんてことはない。佐川美術館にしたってバスで行こうと思えば行けるはずだ。ただ車に乗れる、それだけで世界が広がるんだと感じたのだ。
また別の日にも車で1時間弱かけてカフェに連れて行ってもらった。車が運転できるっていいなと思うには十分だった。
それに私は今31歳独身女、恋人もいない。
つまり、このまま誰とも結婚することなく生きていく可能性が極めて高い。
正直途切れることなく恋人がいた学生時代は、彼氏に運転してもらえばいいと思っていた。アラサー真っ盛りを迎えた私にそんな彼氏はいない。
じゃあ自分でなんとかするしかないんじゃないの?と思い至ったわけだ。
ついでに私は一人娘。今は父が車を出してくれるが、いつまでもできるとは限らない。現状、もし体調を崩して病院に連れて行く必要ができても、私はタクシーを呼ぶしかない。
まだその時までには時間があるけれど、今よりさらに歳を重ねてから新しいことにチャレンジするのはエネルギーが必要だ。
だったらまだ若い30代の今のうちにやっておくべきことなのではないかと思い至った。
そこから私は目標を立てた。
年内に運転免許を取得して、車を買う。
ペーパードライバーになった知人のほとんどが自宅に運転できる車がないことから運転しなくなったと言っていた。
私は絶対にペーパードライバーになりたくない。だったら免許を取ったらすぐ車を買おう。
勤続8年、免許の取得費用と車の購入費用を捻出できるくらいの貯蓄はある。
今が私の免許取得のタイミングだったのだ!と思い私は教習所探しを始めたのだった。