日本も今日は祝日だよね?

 

普段スポーツには興味はなく、にわかもにわかなのだけれど、今日だけは言いたい。

ドイツ戦勝利おめでとう。

 

今回のワールドカップはいささか盛り上がりにかけていた。

聞けば放映権料の高騰に耐えかねた民放各局が撤退したという。

しかも一次リーグにはドイツとスペインがいる。これでは一次リーグ突破も怪しい。

 

初戦のドイツとの試合も、朝の情報番組ではドイツの勝利とする見方が圧倒的だった。

日本が失点をどこまで抑えられるかというのが焦点のようだった。

その番組では数人のドイツ人スポーツ記者相手に「日本戦はどちらが勝つと思うか」と質問していた。

親日だという1人の記者が言葉を選びながら「日本には悪いけど、2-0でドイツの勝利だね」と答えていた。

その後も何人かのドイツ人がインタビューに答えたが、誰もがドイツの勝利を信じて疑わなかった。

加えてドイツには前回大会の反省があるという。

2018年のワールドカップロシア大会ではグループリーグ初戦のメキシコ戦で黒星を喫し、続く韓国戦でも黒星、結果グループリーグ敗退に追い込まれる事態になった。

その苦い経験から、ドイツが初戦の日本戦で温存してくることはまず考えにくい。初戦からアクセル全開で向かってくるだろうと予想されていた。

過去4度優勝経験のあるドイツが本気で向かってくると言われて、それでも日本が勝てる!と本気で思った人は少なかったのではないか。

 

それにしても今回大会のしらけたムードにはなんだか森保監督率いる日本代表が不憫に感じた。

ワールドカップといえばお祭りだ。Jリーグ中継が地上波では行われない日本でも、ワールドカップと聞けばどこからともなくファンがやってくる。

記憶に深いのは2010年の南アフリカ大会だ。

あの頃はたしか私は大学生だったのだが、暇な大学生たちは寝る間も惜しんでサッカー観戦に勤しんでいた。

そして、南アフリカで応援に使用された民族楽器ブブゼラが空前のブームになった。

結果騒音が問題になって使用が禁止される事態になったそうだが、プラスチック製のブブゼラが至る所で販売されていた。

当時付き合っていた彼氏が「ブブゼラ、おれんちあるで」とドヤ顔していたことが試合内容より記憶に深い。

とにかくあの時は日本国中が熱狂の渦に巻き込まれたのだ。

それに比べたらドイツ戦はNHKでしか放送もないし、民放各社にやる気もなければ観る側にも意欲がなかった。

 

でもドイツ戦でのあの一勝で一気に日本人の心に火がついた。

結果として私のようなサッカーには興味がないアラサーOLまでもがこうしてブログにしたためることになった。

 

昨夜、父があまりにもドイツ戦は何時からかとソワソワするので、興味があまりなかったはずなのに私まで「NHKでしか放送ないらしいよ」なんて言って気にし始めてしまった。

結局父は寝てしまっていたのだが、11時を過ぎたころにドイツ戦どうなったかなとTwitterを開いた。

前半終わって0-1、ドイツのボール支配率が80%、ドイツのシュートが14本、日本1本と書かれていて、さすが前評判通りだと感心した。

タイムラインをスクロールすると、「Abemaで本田圭佑が実況してる」というツイートを見つけた。

あ、なんかそれ見たいかも…とむくむくと興味が湧いて、わざわざテレビにAbemaTV を出力してしまった。

 

試合運びがどうとか、後半の森保監督の采配がどうとか、全く私にはわからない。

ただ興味ないと斜に構えていても、やはり目の前で日の丸を背負って戦っているのを見ると自然と熱が入る。

日本が2得点目をあげたとき。まさかまさかだった。

これでドイツに火がついて猛攻をしかけられるのではないか。アディショナルタイムが7分。

ドイツ戦を見ていた日本国民全員があのアディショナルタイムは長く感じたのではないだろうか。

実況の方も「まだあと数回は厳しい局面がやってくるでしょう。どれだけ凌げるか」などといささか後ろ向きな表現があって少し笑った。

結果逃げ切って初戦2-1で勝利を収めた日本代表。

今朝になって掌返しで歓喜の報道がされ、Twitterでは「森保監督今までつまんないとかいってごめんなさい」などと謝罪が並んだ。

人間って勝手だなと思う反面、この浮かれた感じが心地よいとも思う。

 

最後に心に残った中山雅史本田圭佑のやりとりがあった。

 

「本田さん、この歴史的勝利を見て悔しくないですか?」と中山雅史に問われた本田圭佑

少し間をおいて「結構…リアルな質問してきますね。」と答えた。

すると中山雅史が「嬉しいんですよ!嬉しいんですけど、僕は!そこに立っていたかったなと悔しいんです。」と言った。

いつもとは違う表情を見せた本田圭佑が「間違いないです。」と返した。

 

すごくグッときた場面だったので、書き残しておきたい。

 

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