京都ペンギン相関図2023
帰りの電車でふと見上げたら、車両丸ごと京都水族館の広告だった。
京都水族館は京都駅から一駅のエリアに位置していて、海のないエリアに建つ珍しい水族館だ。
10年前に開業し、比較的新しい。海の水を使わずに人工海水100%というのは開業当時国内初の取り組みと言われていた。
開業時私は大学生だった。最初のうちは京都水族館のイルカショーは全然いうことを聞かないとよく言われていた。
海の生き物に特段興味がない私でも近場ということで3度ほど行く機会に恵まれた。
そんな私の思う京都水族館の推しはオオサンショウウオとペンギンだと思う。
正直なぜあそこまでオオサンショウウオを推しているのかが分からないくらい、京都水族館はオオサンショウウオ推しがすごい。エントランスを抜けてすぐお出迎えしてくれるのは他でもないオオサンショウウオだ。
そしてお土産売り場に行けばオオサンショウウオのぬいぐるみがサイズ豊かに並ぶ。
迂闊にも少し欲しいと思った自分さえいた。
そして他の水族館でも大人気のペンギンも京都水族館でももれなく人気の生き物だ。
今日と水族館ではペンギンゾーンが1・2階に分かれていて、1階では水の中を泳ぐペンギンが見られる。2階では陸の上をよちよち歩くペンギンを見ることができるのだが、その距離がとても近く、身近に感じることができるのが魅力だ。
京都水族館では現在59羽のケープペンギンが暮らしているのだが、このペンギンたちの関係性を可視化したペンギン相関図が面白いのだ。
このペンギン相関図は2018年から公開されていて、毎年アップデートされている。
ペンギンたちそれぞれに社会性や個性があることを垣間見れてつい見入ってしまう相関図だ。
京都水族館のペンギンたちの名前も京都らしくて好きだ。
京都の街といえば碁盤の目になっていて、通り名を覚える「まる・たけ・えびす・に・おし・おいけ〜」という歌が有名だ。その通り名からペンギンたちの名前は名付けられている。
丸太町通りからとった「まる」に、竹屋町通りからとった「たけ」といった具合だ。京都人にとっては親しみやすい名前である。
冒頭の電車内の広告では今年もペンギン相関図がアップデートされたことがお知らせされていた。
1両丸ごとペンギン相関図の広告になっており、電車に乗っている間ついつい見入ってしまっていた。
「みかげ」はパートナーと別れ、今は、ひとりで紐と遊ぶのにハマっています。
「よしや」は今、初カノの「ぽん」と夫婦になった時ほど一途ではありません。
「りょう」は妻を奪われました。今、家も狙われています。
「まつ」と「まん」はギリギリ、まだ夫婦です。
などと、何があったんだよ…と言いたくなる内容のオンパレード。そしてここでわかることはペンギンは結構移り気であるということ。
妻を奪われた挙句家まで狙われている「りょう」なんてどこの昼ドラかというくらいの泥沼感。
ついつい京都水族館のHPまで行って相関図を眺めている自分がいた。
私が好きなカップルは「かまんざ」と「さや」の歳の差カップルだ。
2020年までは二羽の間に恋愛の兆しなど全くなかった。それもそのはず、「かまんざ」は京都水族館最年長でもはや御隠居モードだったのだ。
それが突如として2020年「さや」との17歳カップルが爆誕。
人間で考えても17歳ってすごい歳の差やぞ…。
「さや」は彼氏の「かまんざ」の姿が見えなくなると一生懸命探すようになったり歳の差をものともしないラブラブさを発揮。2022年には晴れて二羽が夫婦になったのだった。
そして今年、なぜか高齢の「かまんざ」が突如としてダメ男になりかけるも、なんとか持ち堪え、まだまだラブラブは健在の2羽。寝るときは「さや」にもたれかかるなど、微笑ましい仲良し夫婦の姿を見せているそうだ。
そんな裏話を知って見ると、ペンギンたちがただ可愛いだけでなく、愛しく見えてくる。ペンギンの見分けは難しいが、京都水族館ではバンドカラーの組み合わせで個体の識別ができるようになっており、「ぺんたごん」というシステムでどの子が誰なのかが簡単に検索が可能だ。
ぜひ京都水族館に行った際にはじっくり見てみたい。
このページから相関図を見ると、過去の遍歴まで確認できるようになっていてさらに面白い。
ぜひ昼ドラ顔負けのペンギンの世界を見てみてほしい。